海外赴任で、現地に到着後まず行うべきこととは?

海外に着いたら

現地の警察署や公安で住所登記を行う

 海外へ赴いた際、滞在する国によっては、現地の警察署や公安に住所を登記することが義務付けられています。この登記は、概ね外国人に対してのみ実施されている為、日本人の受け入れに不慣れなローカルスタッフでは、把握していないことがあります。必ず出国前に、赴任先の国や地域で外国人に対する住所登記が要求されていないか確認しておきましょう。

 中国では、外国人が中国で宿泊する場合、宿泊先に到着してから24時間以内に現地公安機関で臨時宿泊登記の手続きを行う必要があり、違反した場合には、警告もしくは2,000元以下の罰金に処す旨が出境入境管理法で規定されています。

通常、外国人が中国のホテルに宿泊する場合には、フロントデスクがチェックインの際に臨時宿泊登記を行いますが、フロントデスクやレセプションのないアパートに直接入居する場合には、自分で滞在地を管轄する派出所に出向いて臨時宿泊登記を行う必要があります。

また、イタリアの場合、外国人は入国日から8業務日(日・祝日等を除いた日)以内に滞在地の警察署に対し、住所等の届出を行うことが義務付けられています。これを怠ると、最悪の場合、国外退去処分の対象となる可能性があるので、注意が必要です。

◆なお、到着後は、管轄の日本公館に「在留届」を提出することも忘れないように。

ライフラインや通信手段を確保する

入居先に到着したら、ライフライン(電気・ガス・水道)や携帯電話、インターネット接続等に問題がないか確認しましょう。

通常、電気・ガス・水道の開栓は、不動産業者に頼めば代わりに行ってくれます。ただし、使用料の支払い方法をしっかり確認しておかないと、料金滞納で使用が停止されることがあるので、注意しましょう。

住居先で特に注意が必要なのが、電化製品の使用です。日本の電圧は100ボルトですが、世界では220~240ボルト、または110~130ボルトが一般的な電圧とされており、日本から持ってきた海外非対応の電化製品を使う場合は、変圧器が必要です。誤って日本の電化製品を直接コンセントに繋いで壊れてしまったということがないようにしましょう。

現地の携帯電話のSIMカードは、自分で電話会社か代理店まで行って購入・契約するのが一般的です。また、現地のSIMカードと日本のSIMカードを同時に使う場合には、SIMフリー・デュアルSIM対応の機種(2枚のSIMが同時に使える)を用意しておくと大変便利です。ただし、滞在国のSIMカードではないSIMカードでデータローミングをすると料金が高額になるので、国を跨ぐ移動の際には必ず手動で切り替えを行ってください。

海外でのインターネット環境は日本と異なる為、回線の契約に関しては不動産屋や現地スタッフに相談をしましょう。また、中国のように国外のインターネットサイトやSNSの閲覧を規制している国の場合、LINEやZOOMといった日本で日常的に使っていた連絡ツールが使用できなくなるので、VPN契約を行うなど、事前に対策を立てておくと良いでしょう。

現地の銀行口座を開設する

 海外生活で欠かせないのが現地の銀行口座の開設です。給料の受け取りや家賃・公共料金・携帯電話料金の支払い、スマホ決済への紐付けなど、多くの支払いのシーンで、銀行口座が必要になります。

 アメリカでは銀行口座を開設する際、パスポートなどの本人確認書類、アメリカでの住所を証明する書類のほかに、ソーシャルセキュリティーナンバー(SSN)と呼ばれるアメリカ市民・長期滞在者のみに与えられる番号が必要です。

 また、中国で銀行口座を開設する場合には、パスポート、有効なビザ(観光ビザは不可)、居留許可証、就業許可証または在学証明書、現地の携帯電話番号が必要となります。

 各国によって口座開設の条件は異なる為、現地の銀行で確認をし、必要書類が揃った段階で開設手続きを行いましょう。

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