世界の日本国大使館・総領事館に寄せられた援護要請の現状

海外に着いたら

海外では日本と比べて治安の良くない地域が多くみられます。赴任当初は緊張感があり十分な注意を払っていても、滞在が長くなると徐々に気が緩み、予想もしない事件に巻き込まれることがあります。

今回の記事では世界各地の日本国大使館・総領事館に現地に住む邦人から寄せられた援護要請の現状を紹介しますので、安全機器管理の参考にしてください。

2021年(令和3年)の援護件数の多い在外公館上位10公館

在フィリピン日本国大使館    971 件 

在デンパサール日本国総領事館  889 件 

在タイ日本国大使館            857 件

在大韓民国日本国大使館        649 件

在バンクーバー日本国総領事館  551 件

在ラオス日本国大使館          392 件

在カンボジア日本国大使館      357 件

在アトランタ日本国総領事館    339 件

在英国日本国大使館            336 件

在セブ日本国総領事館          308 件

件数※大使館、総領事館、領事事務所等のうち、援護件数の多い上位10公館を掲載

2021年(令和3年)の主な事故の事例及び犯罪被害の特徴

事故・災害 

● 登山事故

9月  米国・ワイオミング州において、登山中の事故により、邦人1人が死亡した。

● 水難事故

6月  スイス・ヴォー州において、湖での事故により、邦人1人が死亡した。

8月  カナダ・ブリティッシュコロンビア州において、サーフィン中の事故により、邦人1人が死亡した。

● 交通事故

8月  米国・オレゴン州において、カヤック中の事故により、邦人1人が死亡した。

4月  米国・ハワイ州において、自転車運転中の事故により、邦人1人が死亡した。

4月  シンガポールにおいて、歩行中の交通事故により、邦人1人が死亡した。

5月  中国・上海市において、バイクの後部座席乗車中の事故により、邦人1人が死亡した。

9月  タイ・ラヨン県において、バイクの運転中の事故により、邦人1人が死亡した。

海外で邦人が被害者となった主な殺人事件まとめ

5月  フィリピン・ヌエヴァ・エシハ州において、邦人が殺害された。

5月  メキシコ・バハカリフォルニア州において、邦人が殺害された。

7月  米国・フロリダ州において、邦人が殺害された。

その他の犯罪被害

● 強盗・同未遂

路上や公共交通機関内での強奪等の一般的な強盗が最も多く、侵入強盗、羽交い締め・首締め強盗、車両強盗と続く。

● 窃盗・同未遂

スリが最も多く、車上狙い、置き引き、空き巣、ひったくりと続く。343件のうち、欧州地域が最も多く、全体の約43%を占める。

● 傷害・暴行

路上での一方的な暴行被害や喧嘩等による一般的な傷害・暴行が多く、その他は家庭内暴力(DV)の被害がある。

● 詐欺・同未遂

商品詐欺、偽警察官・ガイド、暴力キャッチバー、419詐欺、いかさま賭博といった従来からの手口に加え、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS) を通じた国際ロマンス詐欺、公的機関を騙る振り込め詐欺、遺産相続を持ちかける手紙を送りつける手口など、多種多様な被害事案がある。

今回の結果から、フィリピン、タイ、韓国といった日本人の海外渡航先として馴染みのある国で、年間600件以上の救援要請があったことがわかりました。

滞在する国の経済状況によっては「日本人はお金がある」と思われて犯罪のターゲットになることがあります。

また、正しい交通マナーが浸透していない地域では、交通事故の危険がより高くなります。

海外では日本とは違う環境にいるということを念頭に置いて、気を引き締めて生活するようにしましょう。

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