近年、日本人の海外移住や長期滞在はますます増加しています。ビジネスのグローバル化、リタイア後の海外ロングステイ、デジタルノマドとしての活動など、さまざまな理由で日本人が海外で生活するケースが増えています。
外務省が発表した最新の「海外在留邦人数調査統計」(2024年版)によると、現在海外に在住している日本人の総数は約129万人にのぼります。本記事では、日本人が多く住む国や都市、地域ごとの特徴、そして前年との比較を詳しく解説していきます。
日本人の海外在住者数(2024年最新データ)
2024年の外務省の統計によると、海外在留邦人数は約129万3,097人でした。これは前年とほぼ同数であり、コロナ禍からの回復後、海外移住者数が安定していることを示しています。
地域別の在留邦人数
- 北米(アメリカ・カナダ):49万681人(全体の37.9%)
- アジア(中国・タイ・シンガポールなど):34万7,975人(26.9%)
- 西欧(イギリス・フランス・ドイツなど):21万5,632人(16.7%)
この3地域で全体の約82%を占めており、特に北米とアジアへの在住者が多いことが分かります。
日本人が最も多く住む国トップ3
- アメリカ合衆国:41万3,380人(全体の32.0%)
- オーストラリア:10万4,141人(8.1%)
- 中国:9万7,538人(7.5%)
アメリカが圧倒的に多く、日本人の3人に1人がアメリカに住んでいます。オーストラリアは気候の良さや移住のしやすさから、特にリタイア後の長期滞在者に人気があります。
日本人が多く住む都市トップ5
- ロサンゼルス都市圏(アメリカ):6万3,508人
- バンコク(タイ):5万146人
- ニューヨーク都市圏(アメリカ):3万7,345人
- 上海(中国):3万4,681人
- シンガポール:3万2,565人
ロサンゼルスやニューヨークなど、ビジネスやエンターテインメントの中心地には多くの日本人が滞在しています。また、バンコクやシンガポールのように、比較的生活費が安く、ビザの取得がしやすい都市も人気です。
在留邦人数の増減傾向
ここ数年、日本人の海外在住傾向は変化しています。特にコロナ禍を経て、以下のような増減が見られます。
在留邦人数が増加した国
- オーストラリア:ビザの取得が比較的容易で、生活環境が整っていることから移住者が増加
- カナダ:ワーキングホリデーや移住政策の影響で、若年層を中心に増加
- ドイツ:ビザの取得が比較的容易で、生活しやすいため
在留邦人数が減少した国
- 中国:ビジネス環境の変化や日本人への事件の影響で駐在員が減少
- タイ:駐在員の減少や、家族帯同の減少傾向、物価高によるロングステイヤーの減少
- ベトナム:駐在員の減少や、家族帯同の減少傾向
海外在住日本人の特徴と傾向
現在、海外に住む日本人の特徴として以下のような点が挙げられます。
1. リモートワーク・デジタルノマドの増加
リモートワークの普及により、場所に縛られずに仕事ができる環境が整い、東南アジアやヨーロッパに拠点を移す日本人が増えています。
2. リタイアメントロングステイの増加
特にタイ、マレーシア、フィリピンなどでは、日本人のリタイア層向けのビザが整備され、移住者が増えています。
3. 若年層の海外挑戦
ワーキングホリデーや海外就職を希望する若年層が増加。カナダやオーストラリア、シンガポールなどで働くケースが増えています。
まとめ
2024年の海外在留邦人数調査から、日本人の海外移住の傾向は「北米・アジアへの集中」「デジタルノマドやリタイアメント移住の増加」などが特徴として挙げられます。特にオーストラリアやカナダ、タイなどは増加傾向にあり、一方で中国やイギリスでは減少が見られました。
今後も海外移住のトレンドは変化していく可能性がありますが、今回の統計データを参考に、自身の海外移住や長期滞在の計画を立ててみるのも良いでしょう。
今後も海外在住日本人に関する最新情報をお届けしていきますので、ぜひチェックしてください!
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