海外からの緊急移送にかかる費用は?

海外に着いたら

緊急移送はどんな時に必要か

もちろん、起きないに越したことはないのですが、残念ながら例年、海外赴任中に病気になったり事故に遭ってしまう赴任者が報告されています。

その場合でも、現地で治療ができれば良いのですが、病気や怪我の程度によっては、地元の病院で治療が困難なため、医療設備の整った第三国の病院へ緊急に患者を運ぶことがあります。

緊急費用にかかる費用

海外からの緊急移送(医療搬送や遺体搬送など)にかかる費用は、移送距離や移送方法、個別の状況に大きく左右されますが、一般的には非常に高額になります。特にチャーター機での移送は、高額な金額になります。

なお、飛行距離や搭載する医療器具、医療スタッフの人数などによって費用が異なります。

<医療搬送(エアアンビュランス等)>

費用の目安:

短距離(近隣国間):100万~300万円

中距離(数千km程度):300万~800万円

長距離(大陸間):800万~2,000万円以上

(例)以下すべてチャータージェット機で移送(医師・看護師付き添い)
・モルジブ⇒シンガポール(ダイビング中に溺れる): 約700万円
・モンゴル⇒日本(脳溢血):約1,600万円
・中国⇒日本(腰椎骨折):約490万円
・パキスタン⇒日本(肝炎)約140万円

日本で継続治療するための移送

現地病院での治療後、患者の容態が飛行機での移送に耐え得る程度に回復(寛解)し、今後は日本で治療した方がよいと判断された場合、定期航空便を利用して、医師や看護師の付き添いのもと帰国することがあります。

航空会社や飛行距離、医療スタッフの人数等よって費用が異なります。

遺体の搬送について

非常に残念なことではありますが、例年、海外で亡くなる邦人が確認されています。

海外で邦人が亡くなった場合、現地で火葬してお骨として帰国する場合と、遺体を特別処理し、日本へ運ぶ場合の2つの方法があります。

お骨の場合は、遺族や知人の手によって運ばれるため移送費用は発生しませんが、遺体移送では航空貨物として運ばれるため、高額な費用が発生します。

棺、現地および日本での検疫規定に沿った防腐処理などの処置、航空貨物運賃や陸上移送費用などで少なくとも100~200万円程の費用が発生します。

費用の目安:

同一地域内(近隣国間):50万~150万円
長距離(大陸間移動):150万~500万円以上

費用に影響する要因:

防腐処置:遺体の保存や防腐処置が必要な場合は費用が加算される。
棺の種類:航空機で運搬するため、特別仕様の棺が必要になる。
現地での手続き費用:死亡証明書や出国許可書の発行にかかる費用。
航空運賃:重量や輸送距離に応じて異なる。

海外保険には通常の治療費だけでなく、緊急時の移送代などをカバーしたプランがありますので、比較して自分のニーズにあったものに加入しましょう。

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