海外赴任に向いている人には、いくつかの共通する特徴やスキルがあると言われています。ただし、「向いている人」だけが海外赴任を成功させるわけではなく、必要な心構えやサポート体制があれば、多くの人が適応可能です。以下に、海外赴任に向いている人の特徴を挙げますので、ぜひ参考にしてみてください。
心身共に健康である
海外では病気などが重症化した時に、状況によっては日本と同じ医療措置を受けられないことがあります。
脳に腫瘍が見つかって緊急帰国した、心筋梗塞で体が不自由になり、医療搬送されたといったケースが、各国で毎年のように見られます。
いつどこで体に不調をきたすかは誰に予測ができることではなく、日本にいても起こり得る事態です。
しかし、海外では緊急時の対応が日本に比べて難しいため、赴任者を送り出す事前の段階で、持病がある人選は避けたいと考えます。
また、ストレス耐性があることも重要で、これは日本で働いている時からチェックされている項目でもあります。
なぜなら、海外赴任では家族と離れる寂しさ、母語ではない言語によるコミュニケーションの難しさなど、多くのストレスが伴うためです。
そういった環境の中で生活をしていくとなると、普段から、ある程度のストレス耐久があり、物事を比較的に楽観視できたり、俯瞰的に冷静になって捉えられる人の方が好ましいと言えるでしょう。
現地で求められる業務に対応できる
業種や職種で事情は異なるものの、海外赴任に選ばれるということは、赴任先の目標達成にコミットできると見込まれているということです。
中には、有望な若手を研修の位置づけで1年ほど海外に派遣するケースもありますが、一般的には、現地の事業所や工場で必要とされる業務に精通している方が選ばれることが多いです。
例えば製造業の場合、現地のスタッフに必要なスキルを教えることができる技術者などが派遣されます。
海外赴任を希望している方は、自分が今取り組んでいる業務のスキルを磨いて、海外の現地法人で自らが役立てる人材となることをイメージすると良いでしょう。
コミュニケーション能力がある
海外赴任において、コミュニケーション力があることは非常に重要な要素です。
海外では、言語や文化の違いを超えて、コミュニケーションを取らなければなりません。
日本においても他者との交流がままならない人が、海外で人付き合いを円滑に行うことは困難と言えるでしょう。
海外赴任では、ローカルスタッフや顧客だけでなく、現地での日本人同士の繋がりもあり、人と接する機会が多くなります。
商工会等に参加している会社の代表の場合、会社の顔としてイベントに参加するケースもあり、当然、ある程度のコミュニケーション能力が求められます。
ルールを守り、逸脱した行動を取らない
海外に出ると、ついつい気が大きくなり、酒を飲み過ぎたり、女性トラブルを起こしたり、日本では考えられないような逸脱した行動を取る駐在員が見られます。
特に中国や東南アジア圏では、駐在員と現地の女性との金銭トラブルがあとをたえません。
日本に家族がありながらスナックやキャバクラなどで知り合った現地の女性と交際をし、多額の金銭を要求される、また、要求に応じないために会社に押しかけられる、ひどい場合には本社にまで訴えが届くといったケースが見られます。
こういったことは本人とその家族が消耗されるだけでなく、会社の他のスタッフにも被害が及び、会社の評判そのものに傷をつけることにもなりかねません。
海外赴任では、いつでも自分を律することができる性格というのも、重要なポイントと言えます。
会社の利益を考えることができる
海外赴任の根底には、企業のビジネスの拡大が目標としてあるため、赴任者のパフォーマンスが会社の利益に直結することが多くあります。
そのため、赴任者には、自らの仕事が会社の利益に結びつくかを常に意識できる能力が必要です。
赴任者が「海外赴任手当がついてよかった、日本より仕事も楽だ」と言った自分の損得にだけ着目して海外赴任しているようでは、企業の実績は伸びていかないでしょう。
海外でのビジネスパートナーや取引先との交渉や契約の際にも、自分の判断によって会社に利益を生み出せるか、緊張感を持って取り組める人材が理想的です。
特に、世界のビジネス事情に敏感であり、会社の利益を守るため、役職を問わずに経営者の視点を備えていることが望まれます。
まとめ
この記事では、実際に大手企業の人事担当者に「海外赴任に選ばれる人材の特徴」についてお話を伺いました。
海外赴任の人事に関わる方はもちろんのこと、既に海外赴任が決まっている方、希望している方など、自分のコンディションや能力と比較して参考にしてみてください。
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