海外赴任の赴任期間は三年前後が最も多いと言われており、近年では家族の絆を深めるために、家族帯同を選択する人が多く見られます。
そこで気になるのが、子どもの教育です。
邦人の多い都市では日本人学校があり、日本と同等の教育が受けられますが、もちろん、希望すれば現地校やインターナショナルスクールに通うことも可能です。
本記事では、それぞれの学校のメリットとデメリットについて解説していきます。
現地校のメリット・デメリット
現地の学校へ通うメリット
言語の習得と文化への理解が挙げられます。言語の難易度にもよりますが、生活していく上で必要な会話は、およそ2年で習得できるといわれています。
また、子どもは大人に比べて他言語の習得が早いとされています。
現地校では当然現地の子どもが中心層となりますから、その国の言語を用いたコミュニケーションが主体となります。
一日の大半を過ごす学校で浴びるように現地の言葉を耳にして、「駐在員であるパパやママより早く言葉が話せるようになった」なんて話もよく聞きますよね。
ですから、現地の言語の習得や文化への理解を求める場合、現地校はおすすめといえます。
また、特に公立校であると、費用が安いというメリットもあります。
現地校のデメリット
初めは子どもへの負担が大きいことが挙げられます。海外にやって来たというだけでもストレスなのに、何を話しているかわからない学校へいきなり放り込まれ、困惑する子どももいるでしょう。
また、学校によっては外国人差別が顕著なことがあり、歴史認識の違いから、いじめを受けたというケースも見られます。
また、日本語を使う機会が減ってしまうため、国語力が落ちる心配もあります。
なお、現地校へ通う場合は、同時に日本語補習校(補習授業校)へ通わせるケースが多いです。補習校では日本の教科書を使って国語や算数などの授業を受けることができます。
しかし、補修校は週末に1回開講されることが一般的で、家庭で読み聞かせや漢字の勉強をさせたりなど、親のサポートが欠かせません。
日本人学校のメリット・デメリット
海外にある日本人学校は文部科学省に認定されており、日本のカリキュラムにしたがって教育を受けることができます。
日本人学校のメリット
日本と同じような学校環境であるため子どもがストレスを感じにくいこと、日本と同等の教育が受けられ、帰国する際にも学習の遅れが起きにくいことなどがあります。
また、日本人学校は国や地域にもよりますが、総じて子どもの学習レベルが高いことが模試などの結果から指摘されています。優秀な子どもが多いため、切磋琢磨して学力の向上が望めそうです。
日本人学校のデメリット
現地の言葉や英語の習得が現地校やインターナショナルスクールに比べて難しくなることです。
なぜなら、基本的には日本と同じカリキュラムが日本語で実施されるため、他国語に触れる時間が圧倒的に少なくなるためです。
また、学費について、インターナショナルスクールに比べたら安くなりますが、日本人学校の運営形態は私立なので、ある程度の費用がかかることも挙げられます。
インターナショナルスクールのメリット・デメリット
赴任する国がアジア圏などで、現地の第一言語が英語でない場合、インターナショナルスクールという選択肢が挙げられます。
インターナショナルスクールのメリット
様々な国の子どもがいるのでグローバリゼーションの感覚が身に着くこと、言語面のサポートも手厚いこと、親としては学校とのコミュニケーションが非英語圏の現地校に比べて取りやすいことなどが挙げられます。
特に、現地語よりも英語を身につけさせたいと考える親の場合は、インターナショナルスクールに通わせるケースが多いようです。
インターナショナルスクールのデメリット
費用が割高であることでしょう。最低でも年間200万~300万円ほどはかかるといわれており、会社側からの補助だけでは足りず、自分で補填することもあるようです。また、これは現地校と同じですが、日本語を使用する機会が減るため、国語力の低下が懸念されます。いずれ日本で生活をする予定があるならば、補修校や家での日本語学習で、日本語に触れる機会を補ってあげる必要があるでしょう。
まとめ
海外赴任における子どもの学校選びは、家族の状況や子どもの将来を見据えたうえで慎重に検討する必要があります。日本人学校と現地校、インターナショナルスクーリのどれが良いかは、一概には決められません。それぞれの選択肢のメリット・デメリットを比較し、ご家族のニーズに合った決定をすることが重要です。
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